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・法律の定めにより、再審理、取消し、修正、上告の許可、事件移送命令及び最終判決を行う。
・裁判官は、任命時に40歳以上の者で、大統領が任命。70歳定年。
イ 控訴裁判所
・司法官(裁判長)及び50名の陪席判事からなる。それぞれ大統領が任命する。
・地方裁判所及び準司法機関の判決に対する控訴裁判権を有する。
ウ 地方裁判所
・主に、民事事件の裁判を行うが最高裁判所の要請により刑事事件も所掌。
・予審裁判所として、首都圏、州又は巡回の裁判所を置く。
エ 特別裁判所(Sandiganbayan)及びオンブズマン(Ombudsman)【第11章 その他参照】
・前者は公務員の収賄、汚職に係わる事件を扱い、後者は公務に関する苦情の審査を扱う。
オ 軍事裁判所
・独自の裁判制度。軍法務部長の権限下に置かれる。

 

(4)フィリピン憲法(1987年公布)
本憲法は、1986年暫定憲法に続くものであり、1987年に圧倒的多数の国民投票によって批准された。
?@内容
国の領域、経済発展の戦略、大統領の権限、土地改革、地方自治、政府組織、離婚の禁止などを規定。
?A主な特徴
・大統領は国民の直接選挙によって選出され、任期6年で再選を禁止。戒厳令の期間を60日に制限。
・文民統制の原則。軍人の定年延長を禁止。参謀総長の任期を3年に制限。
・土地改革の実施
?B憲法改正
次のいずれかによる。
・議員の4分の3の賛成による議決
・議会又は選挙民によって招集される憲法会議(Constitutional Convention)による議決。
・全有権者の12%による請願の提案後、60日から90日までの間に実施される国民投票の過半数による批准。

 

 

 

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